
缶詰のオイルサーディンが値上がりし、「自分で作れないだろうか?」と思ったのが今回の始まりです。
火を使わず放置で作れるなら最高だと考え、炊飯器調理を調べてみると──“骨まで柔らかくなる”という情報がいくつも出てきます。
しかし、使われている魚種や温度条件はどれも曖昧。 本当に炊飯器の温度帯(約70℃前後)で、マイワシの骨が缶詰のようにほろほろになるのか?
そこで今回は、一般的なマイワシを使い、炊飯器でオイルサーディンを作ったときの味・骨の硬さ・再現性を徹底的に検証しました。 結論から言うと、味は非常に良いものの、骨は想像以上に手強い結果となりました。
「炊飯器で本当にオイルサーディンは作れるのか?」 「缶詰の代わりになるのか?」
その答えを、一次情報として正直にまとめます。
炊飯器ではマイワシの骨は柔らかくなりません。味は良いが、缶詰のようなほろほろにはならない──これが今回の検証結果です。
| おススメ度 | ★★☆☆☆ |
| 備考 | 普通に直火で火を通した方が良い |
| 材料費(2人分) | 1000円~ |
| 調理時間 | 50分~ |
| 待機時間 | 120分~ |
材料表
- オイルサーディン(2人分~)
- 小羽イワシ(コイワシ)24匹(約30g×24匹) 600円~
- 下処理用食塩水
- 塩 約小さじ3(15.46g)
- 酢 大さじ2 60円~
- 水 500ml
- 漬けこみ用10%食塩水
- 塩 約111g 10円~
- 水 1000ml
- 漬け油
- オリーブオイル 適量
- ひまわり油 適量
- 香草類
- 乾燥・タイム 適量(できれば生の方が良い)
- 乾燥・ローズマリー 適量(できれば生の方がいい)
- 乾燥・ローリエ 2枚
- ニンニク 2片
- 鷹の爪 4本
- 黒コショウ 適量
調理時間(40分)
①イワシを軽く水洗いし、尻尾から頭に向けて包丁の切っ先を使って軽く撫でる様に鱗を取るがその際、皮膚を傷めてしまうようなら指先を使い爪で取る。
②氷水で冷やしながら連続して捌いていく。

③水気をキッチンペーパーで拭きとり、頭を落とし、肛門から腹にかけて斜めのラインに包丁を片身だけ入れ、内臓、腹膜、血ワタをかき出し、もう半身を切り落として取り除く。

④腹を指、骨抜きの柄の部分等を使って流と共にかきだし洗浄し、あらかじめ作って冷やしておいた下処理用3%食塩水に入れて、臭みを抜きつつ鮮度を保持しながら、作業をを進める。
⑤キッチンペーパーにくるんで水気を吸わせる。

10%食塩水についての補足
10%冷食塩水はその場で作ろうとしてもなかなか塩が溶けません。あらかじめペットボトルで水と塩を入れ撹拌し、良く溶かしてから冷蔵庫で冷やしつつ使用時まで待ちましょう。
因みに、10%の食塩水は1000mlの水に対して100gの塩の量ではありません。
塩分濃度(%)=
塩の重さ(g)/塩水の重さ(g)+塩の重さ(g)
∴ 塩の重さ(g)=
塩水の重さ(g)×塩分濃度(%)/(100-塩分濃度(%))
例1:塩分濃度10(%)水50mlなら塩の量 約5.56g
例2:塩分濃度10(%)水100mlなら塩の量約11.11g
例3:塩分濃度10(%)水1000mlなら塩の量 約111.11g(← 100gではないですよね)
⑥ボールを用意しあらかじめ冷やしておいた10%塩水(ペットボトルに入れて事前に作っておけば塩の溶け残りもなくすぐに使用できます)に漬ける。浮いてくるようならキッチンペーパーを落し蓋にし全体に塩水が行き渡るようにする。(今回の様に30g程の小羽イワシなら30分、60g程の中羽なら40分、80gを超える大羽なら60分を目安に漬ける時間を調節する)
⑦時間が来たら塩水から引き揚げ水気をよくふき取り使用時まで冷蔵庫で養生。

調理時間(10分)
①乾燥タイム、ローズマリー(出来たら生が良い)適量(小さじ1以下)ローリエ2枚 黒胡椒適量、ニンニク2片スライス
②ジップ袋にイワシを詰め、オリーブオイルとひまわり油を割合1対1程度に合わせて(冷蔵庫で保存するとオリーブオイルだけだと凍る為、ひまわり油をいれます)先の香草類と共に入れ、袋内の空気を極力追い出してジップする。

待機時間(120分)
①炊飯窯の7割程度の沸騰したお湯を用意し、炊飯窯にジップ袋に入れたイワシを入れて熱湯を炊飯窯の8割程に注ぎこむ。
②保温モードにし、15分位(イワシを入れたことによりお湯の温度が下がる為)したら再加熱モードにする。(再加熱モードが無ければ保温のみで良いです)※炊飯器の保温状態の温度は約70度、理想のオイルサーディンの調理温度は80度と言われていますので若干低いですが小羽イワシなら骨も気にならずに食べれはず?
③2時間ほど保温状態にし、器に盛り付けて完成。(粗熱をとって冷蔵庫で一晩冷やしてから食べた方が美味しいとは言われている)

完成

今回は刺身鮮度の小羽イワシが安く手に入ったので、オイルサーディンを作ってみましたが、ジップ袋を使ってオイルを節約したいのと、火加減に注意しながらの料理ではなく炊飯器を使ったほったらかし料理でちゃんとできるのか試してみたかった。
味はまさに缶詰のオイルサーディンで、なんかしっぽりお酒を飲みたくなる雰囲気を醸し出してくれるものの、総合的にみて上手くいったかどうか微妙な感じでした。例えるなら子持ちシシャモの3倍以上は骨が気になり、最終的にはフォークで突いて中骨を避け食べるような状態で、イメージでしていた缶詰のオイルサーディンを自宅で気軽にといういう感じではありませんでした。
味そのものは非常に良く、オイルの香りや旨味は缶詰に近い仕上がりになります。しかし、炊飯器の保温温度(約65〜75℃)では、マイワシの太い骨を構成するコラーゲンが分解せず、缶詰のような“ほろほろ”には絶対になりません。
骨は咀嚼すれば食べられる硬さですが、ストレスなく食べられるレベルではなく、缶詰の代替として期待すると確実に落胆します。
骨まで柔らかくしたい場合は、
①80〜120℃の加熱帯
②長時間の加熱
③加圧
この3つの条件が必要で、これはまさに缶詰製造や圧力鍋の領域です。炊飯器では物理的に到達できません。
したがって、炊飯器で作るオイルサーディンは、 「味は良いが、骨は残る料理」 と割り切って楽しむのが現実的です。
骨まで柔らかいオイルサーディンを求めるなら、炊飯器以外の調理法を選ぶ必要があります。


