セイコガニの香箱盛

成熟したズワイガニのメス ふんどしの大きさが甲羅とほぼ同じになる

カニは蒸すべきか煮るべきか?
今回は、前回のセイコガニと調理法と変えて蒸してみることにしました。
カニは蒸すのか茹でるのかの一般的な評価は、茹でる方が好まれ、塩茹でする事により、下味が行き渡り美味しく感じるのがその理由です。蒸す調理法を推す人は、ゆで汁に旨味が流れないからその分旨味は濃いと。
そもそも、「旨味」というのは人間が感じるのは塩味あってこそ。塩茹でする事により、塩味が全体に行き渡って蒸したものより美味しく感じるのもうなずけます。
今回は、蒸したカニをいかに美味しく頂けるかをチャレンジした内容です。

関連記事:https://schmincke-cooking.com/セイコガニの甲羅盛/

参考リンク:銀座渡利 カニ別調理法:毛ガニは茹でる?それとも蒸す? (ginzawatari.jp)

おススメ度★★★★★
備考安くて美味しい!お勧め!
材料費(2人分)1300円~
調理時間1時間程度
待機時間一晩+分~

材料表

  • 香箱(2人分)
  • セイコガニ4杯(ズワイガニ♀) 1200円~
  • 蒸し湯
  • 水適量
  • 塩 塩適量

セイコガニを蒸す

調理時間(20分) 

待機時間(1時間15分~)

①セイコガニを、たわし、足の付け根や口周りなどの細かい部分を歯ブラシなどで水を流しながら汚れを落とす。
②セイコガニのふんどし周りに塩を擦り付ける。
③鍋に、水を適量入れ、蒸し器をセットし沸騰したところでセイコガニを甲羅を下に、斜めに置くようなら、口を上にして20分程蒸す。トーレーに揚げて予熱をとったあと、冷蔵庫の中に1時間ほど養生させて身を落ち着かせる。

蟹をばらして盛り付ける

調理時間(60分) 

①ふんどしを外して外子がある場合は、骨取りで糸状に伸びた卵を抱える器官からしごき取り別容器に外子を移す。(ピンセットみたいな骨抜きはここぞと言わんばかりに機能を発揮してくれます!)
②両足を手で持ち内側に折り込んでもぎ取り、ガニ(食べられません)の部分を取り外す。
③甲羅側にある口についている砂袋(食べられません)を外側から押して取り外す。
④甲羅についている大足より先端の爪側の足を逆関節で折りもぎ取る。(爪先は出汁取りに使用するも、わずかな身を取るもご自由に)

カニの外子を簡単に外す方法
ふんどし周りに白い筋みたいなのが卵を付着させて保持しているようですが、これがなかなか取れない。とげぬき型の骨取りで筋を挟んでこすり落とすと上手くいきます。

カニの食べられない部位
エラ、口周りの砂袋はよく言われるとしても、エラの下の白子みたいな部位はなんでしょうか?(画像右矢印)
ネットで調べてみても分からなかったので食べてみましたが、消しゴムを食っているみたいで、旨味も食感も最悪でした。エラを取り除く際には白子みたいなやつも取り除いてください。

⑤甲羅の中の内子とミソを取り出し別容器に移す。
⑥甲羅から足をキッチンバサミ等で切断し、端面をハサミで切り、殻をこじ開け、剥がれた殻をキッチンバサミで切り落とし、身を取り出して別容器に取り出す。(身が取れない細脚や爪は出汁取りに)
⑦胴体部は手で押さえて包丁で両断し、身を竹串等で取り出して別容器に移し、ミソと内子は包丁で叩いて粗さを均一にする。

カ二脚の解体
蟹は、蒸した方が茹でたものより身離れが悪く、脚から棒肉が取れにくいというデメリットが有ります。今回は、包丁で脚を二等し、竹串で取り出しました。
また、身が取れる脚も胴体に近い太い脚だけで、爪や細脚は出汁用に回すなどして活用して下さい。

⑧各部位の味を見て重量比1%程度の塩で塩味を整え、甲羅の部分を水で洗い水気を綺麗にふき取って、カニの身を盛り付ける。
⑨よくある盛り方は、ほぐし身、外子、内子+ミソ、足の身を区分けして盛り付ける様ですが、お好みで盛り付けてください。

完成

脚の棒肉がまともにとれませんでした。(´;ω;`)

評価

ズワイガニのメス、セイコガニは産卵期になると身、ミソ、内子、外子の四種を味合う事が出来る珍味です。お値段も手に入りやすい価格で販売されていることもあり、気軽に食べれれる御馳走ではないでしょうか。
ただ、しいて難点を言うなら、カニのそれぞれの部位を抜き取って盛り付けるのにかなりの手間がいる事。それでも美味しいものが食べたい方には是非お勧めします。残ったカニ殻も捨てずに出汁を取れば、それは、それで楽しみがまた一つ増えます。
さて、前回に引き続きセイコガニを料理させていただきましたが、カニの調理で「煮る」と「蒸す」では結構違いが出ました。まとめると、

蒸す 
①カニのうま味は抜けにくい。
②身に塩味が入らない為、後から味を見ながら塩を加えて整えなければならない
③殻から身を外す時、身離れが悪い。
煮る
①カニのうま味が煮汁に出てしまう。
②身全体に塩味が行き渡りすぐに食べられる。
③殻から身を外す時、身離れが良い。